介護ロボットの現状と問題点!現場の体験談をもとに解説!
近年、良く耳にする介護ロボット。その種類は多く、コミュニケーションのためのロボットから介助用ロボットまで様々。
非常に便利で介護職員の大きな問題である腰を痛めることなく介護を行うことが出来ると期待されています。
しかし、実際導入しても使用している施設は少ないと思う。私が実際に勤めていた時の経験談や介護士の知り合いからの話を含めて現場ではどのように扱われているのかをお教えします。
介護施設へのロボットの導入
まず私の体験談からお話しすると、現場に導入された介護用ロボットは移乗用のロボットでした。
ロボットアームで利用者を吊るすような形で職員は移乗位置をアシストするだけで力を使うことなく使用できるというものでした。
私は当時新人職員で新しいものに目がなく、しかも合法的に楽が出来る!(笑)と言うことですぐに上司から指導や講義を受け使いました。恐らく一番使っていたと思います(笑)
そのうち他職員は何も言いませんがなんだか冷ややかな目をする人も…聞くと
「時間がかかるから二人移乗の方が早いよ」と言うのです。いや、確かに早いです。わかります。
しかし、その間フロアはフリーになるのです。(導入前は二人移乗の方は最初か最後に安全の為にベッドへ移乗していました)効率と利用者の安全確保のための機械導入なのです。
これでは意味がありません。疑問に思った私は他の職員にも聞きますが、なんと同じように人力のほうが早くて良いという人が多くいたのです。
愕然としました。なんで楽しない道を取るのかと。遅いと言いますが、正直ものの1分です。他のリスクを考えればどちらが効率的かは一目瞭然です。
しかし、上の人間に聞くと機械のほうが楽だと言います。(もちろん現場で介護をしている方です)
この差は何なのでしょう?私はこのような現状に危機感を感じています。
使えるものは使うべき
今回のように新しいものを導入すると必ずこのような摩擦がおこりませんか?
もちろん個人の感じ方ですから違いはあるでしょう。しかし、私がこの件を危惧した最大の理由は
新人教育の点、職員の数、この二点です。
そもそも、入職してくる人数も、入職している人数もそもそも少ないので、少ない人数の中でどう動くかを考えなくてはならないのに、今回のような考えは人数を無駄に使う方法です。
それに機械を使用する方が安全だと私は思っています。職員二人だと身長差や力、性別の差からどうしてもアンバランスになりがちです。
しかし機械は必ず同じ力で動いてくれますし、一人の力で済むのです。もちろん、故障していたらという可能性も考えられますが、それを回避するために点検を毎日実施しているのです。
更に言えば月一メンテナンスも行います。仮に故障しても安全装置がついています。
人間が二人がかりで移乗すれば確かに速さはありますが、その速さは利用者に求められているものではありませんし、
人によって変わる不確定なものよりも変化の少ない確実なものを使用したいと私は考えます。
更に、この先入職してくる職員はこの機械を使用することで腰痛から逃れられるのです。
それを考えたら安い投資だと思います。何より腰痛が原因で辞める職員もいます。少ない職員を増やすためにも使えるものは使うべきだと思うのです。
問題点は人かロボットか
元々ないものを導入するというのは不安も感じます。それは皆同じです。ですがそれでは一向に職員不足は解決されないと思います。
介護業界は今が変わらなくてはならない最後のターニングポイントだと思っています。
現場のリーダーが積極的に新しいものを使用し、使用方法をレクチャーして全体に周知していく。
その指示に頷けないなら邪魔をするなと一蹴するくらいの強気な職員がいてもいいのかなと思います。
この介護ロボットに関しては、利用者のご家族からも多くの質問をされる事が多くあります。安全面での不安が主です。
もちろん説明責任がありますので職員から説明をしますし、それに使用するにはご家族に使用許諾を得なければなりません。お互い納得した状態でしか使用できないということです。
終わりに
現在知っての通り日本はかなりギリギリのところで介護を行っています。
それは人員の数の問題に始まり、職員の労働環境に渡り多くの問題を抱えており、介護に関わる人間なら上から下まで皆が感じているでしょうし意識もしているでしょう。それを劇的な変化をもたらす存在が介護用ロボットなのです。
この記事を見て少しでも多くの介護用ロボットが活躍できることを願っています。
最後にこちらには様々な介護用ロボットの紹介がされていますのでご参考ください。