介護の口腔ケアの重要性と方法!おすすめの口腔ケア用品も!
唐突ですが私の祖母は施設を利用しています。先日久々に会ってきたのですが、口臭が酷い。
義歯洗浄してるのか?と疑いたくなりました。流石に可愛そうだったので私が義歯洗浄をしましたが。
施設で働いていると口腔ケアって意外と見落としがちな気がします。
ただでさえ人が少なく時間も限られている中で、「口腔ケアは時間短縮の犠牲になっているところがあるのではないか?」と介護を辞めてから実際に施設に入居している祖母やそこで働く職員を間近で見て思いました。
しかし、口腔ケアはかなり重要です。様々な病状の原因ともなりかねません。そこで今回は口腔ケアの重要性についてお話します。
口腔ケアの重要性
口腔内の環境は約37度前後と言われています。また湿度も一定に保たれているため細菌が繁殖するには最高の環境です。
年齢が若いうちは免疫力が高いので多少のことなら問題ありませんが年齢を重ねるごとに免疫力が下がりますので様々な感染症に繋がります。
代表的な例としては誤嚥性肺炎が挙げられます。
誤嚥性肺炎とは食べ物や唾液が気管から肺に入ってしまい炎症を起こす病気のことで、高齢者の死亡件数でも上位にあがっています。
また、他にも、口内炎やカンジダ症(口腔内に白苔という白い膜のようなものが張る病気)などが発症することも考えられ、食事を摂ることが困難になりそこから衰弱するというような状況も考えられます。
他にも前述した口臭に関してですが、本人よりも周りの人間のほうが気づく可能性が高く、もしも指摘された場合には非常に傷つくでしょう。
臭いを指摘するということは非常にデリケートな問題で、それが閉じこもりの原因となる方もいるようです。
口腔内の改善は対人関係・生活への意欲が高まるという研究結果もあり、様々なメリットがあると言えます。
どちらも、口腔内の残渣(食べ残し)が原因となることが多く、歯磨きをすることが最適ですが、それが難しい場合はうがいをするだけでも予防できますのでせめて含漱(うがい)だけでも実施することが望まれますね。
清潔に保つために
では、口腔内を清潔に保つためにはどうすればいいのか?
口腔ケアを実施する上でのポイントとしては、
- 口腔ケアをする前には必ず手を洗う。
- 手袋を使用して実施する。
- 使用するものは清潔にしておく。
- 含漱(うがい)が可能な場合は実施する。不可能な場合はコットン等を使用し口腔内の清拭を行う。
- 出来ることは本人に実施していただき、本人に困難な部分のみ支援を行う。
この5点が重要ではないかと思われます。
1,2に関しては、口腔内に自分の手についた細菌を移さないためまた、爪などで口腔内を傷つけないためです。また、次に支援する利用者の衛星保全の為でもあります。
3,4は使用する歯ブラシは直接口腔内にあたる物なので常にきれいなものを使用したいですね。
また、人によっては含漱(うがい)をすることが困難な方もいるので、コットン水で湿らせ口腔内の残渣物を掻きだすように優しく清拭を行います。
最後に5に関してですが、これは本人に「口腔内を清潔に保っている」という行為そのものを自覚していただくためです。
認知症が進行するとこのようなことに関しても無関心になっていきますので認知予防と言う点からも有効ではないかと思われます。
口腔ケアの清掃器具
口腔ケアの重要性・注意点が分かったところで口腔ケアに使用する清掃器具についてご紹介しましょう。
このような器具に関しては本人のご家族が購入するものとなる場合がほとんどですので取扱いに関しては丁寧に扱いましょう。
それでは、まずよく見かけるものとしては、普通の歯ブラシとコップ、洗面所で行うことが難しい方はガーグルベースという排水用容器を使用します。
また、人によっては電動用の歯ブラシや糸ようじ。歯間ブラシを使用する方もいらっしゃいますね。
そして、口臭を気にされるご家族は舌ブラシと呼ばれる舌の表面に出来る白い膜(舌苔-ぜったい―)を取り除く為に使用される物もあります。
これを使用する際には口腔内の奥まで使用しないこと、舌を傷つけないため力強く使用しないことに注意しましょう。
こちらのサイトのものは私も愛用していますが、ブラシとラバーがついているので使いやすいです。
使用する際にはさほど苦労はないかと思われますが、他人の歯を磨くという行為は経験が少ないと思われますので、口腔内を傷つけないということに注意して使用しましょう。
終わりに
口腔内のケアは本人はもちろんですが、そのご家族からもよくご指摘を受けやすい点でもあると思います。
前述の通り、周囲の人間のほうが気づくのです。「口腔ケアをしていないのか」という疑問を投げかけられても弁解できず、ご家族との信頼関係に亀裂が入り支援を行う上で協力を頂くことが出来なくなってしまうということも考えられます。
自身の怠慢が最終的には自分に悪い結果として返ってくるのです。
例え時間に追われていてもこれは実施しなければいけない最低限の支援であり仕事なのです。
金銭的な取引がある以上は、責任持って支援に臨みましょう。