介護における腰痛対策の秘訣とは?介助方法や福祉器具も紹介!
介護をしている方で、恐らく共通の悩みは「腰痛」だと思います。一回腰を壊してしまうと癖になってしまうので、また無理をしていためてしまう事が多いこと。
自宅で介護をしている方が腰を痛めてしまえば、代わりの方を呼ばなければいけません。
すぐにサービス利用ができればよいですが、別の家族さん(ご兄弟・娘息子さん)に応援に来てもらうしかないときもあるでしょう。
施設職員も腰痛になってしまうと仕事ができませんし、無理をして腰を壊してそのまま退職なんてこともあります。
80代~90代の方は男女問わず小柄な方が多いので、それほど介助に力が必要なかったのですが(それでも負担ですが)70代より下の世代になってくると大柄の方が増えていきます。
力での介助を行っていてはすぐに腰を壊してしまうでしょう。
代表的な腰痛の種類
①急性腰痛症
俗に言う「ぎっくり腰」。急に重いものを持ったり、ひねったりして痛めてしまう事がおおいです。動けますが、前屈・後屈ができず無理に動くと痛みが強くなり動けなくなる。2~3日安静にすると痛みは落ち着く。
②慢性腰痛症
慢性的に痛みが続くのが症状。原因は老化・腰への負担・疾患です。
③椎間板ヘルニア
椎間板が潰れ脊柱管を圧迫、痛みや痺れ麻痺が起こります。
腰痛を起こさない介助方法
介助中にまず起きるが「ぎっくり腰」でしょう。
無理な姿勢での介助を行うと腰に負担がかかり痛めてしまいます。まずポイントとして
・屈まない
腰を落とさず、曲げるだけで物を持ったりすると相当な負担が腰にかかります。ですから基本は屈まないよう意識しましょう
・下半身を使う
立位介助や移乗介助で、ある程度相手の体重を持つ場合は腰だけで持たないよう、スクワットのイメージで下半身(大腿四頭筋等)を活用してください。
相手の方が小柄な場合も、ついつい腰で持ってしまう事が多いので、腰を落として高さを調節してください。足は力が入れやすいぐらいに開きましょう、支持基底面を広く取ることは基本です。
・大きい筋肉群を使う
腰の筋肉と太ももの筋肉はどっちが大きいでしょうか?太ももですね。当然ながら筋力も太ももの方が強いです。
・介助しやすい位置に調節する
例えばおむつ交換、ベッドの高さ調整ができるなら介助者のへそより少し下まで高さを上げ、極力腰を曲げずに済むように調節してください。
・ボディメカ二クスを活用
例えば体位変換、仰臥位(仰向け)から側臥位(横向き)にする場合、そのまま横を向けるには結構な力が必要です。やり方は
1.膝を立てる
2.両腕は胸の上にまとめる
3.膝を持って横に倒す
4.肩を持って横に倒す
3~4は同時に行わず、下半身が横を向いてきたら、上半身を一緒に向けていく感じです。
基本として、介助を受ける方の体をコンパクトにまとめます。
詳しく知りたい方は専門書をお読み下さい。
できることはやってもらう
その分だけ介助者の負担が減ります。立位介助でも、全てを介助者が持つのではなく少しでもご自分で体重が支えられるなら、支えてもらいましょう。
体位変換も考えは同じです。重要なのは「残存機能を活用」することです。
自立支援にもつながりますし、昔は「全てをやってあげる」事が良い介護と言われていましたが。
今は「必要なことだけをやってあげる」事が良いとされています。ご本人と相談しつつ、どんどん促してみましょう。
福祉器具の活用
現在は、様々な福祉器具が発売されています。
移乗介助の補助として使用する「スライディングボード」、ベッド上での上方移動で使用する「スライディングシート」、そのほか簡単に設置できる手すりなど、活用次第で介助量を減らす事ができます。
福祉器具はまだ値が張りますが、ちょっとの活用で、とても介助が楽に行えます。介助方法を変えることも大切ですが、福祉器具の活用もぜひ視野に入れてみてください。
まとめ
腰に負担をかけない介助方を覚えること、道具を使って負担を減らせるならどんどん活用すること、そして介助者の体のケアも大切です。
腰を痛めてしまうと日常生活にも支障が出ます、ですから痛めないよう注意して、もし痛めてしまったらゆっくりと休むことです、無理をしてはだめですよ。