介護に疲れを感じた時!相談すべき相手や窓口とは?
日本は超高齢化社会になっています。100歳以上の方は5万人を超えるといわれています。
誰もが、いつまでも元気で、長患いすることなく・・・と思いますが、現実は予定通りにはなりません。
介護を受ける方も辛い毎日ですが、介護を担っているご家族は、もっと苦しいことが多くあるでしょう。
介護保険制度が社会に根付いて、誰もが介護保険サービスを受けることへの抵抗も少なくなってきましたが、それでも、家族の負担は大きく、心身ともに疲れている方も少なくないでしょう。
新聞やニュースに「介護疲れで殺人」という見出しを見ることがあります。
夫が妻を、妻が夫を、息子が両親を、嫁が両親をと、介護に行き詰って、苦しくて、苦しくて、どうする事もできず、思い余って起こしてしまったことではあります。
手をかける前に、誰かに一言相談することができていれば、とニュースを目にする度に、思うことです。
ケアマネジャーに相談する。
介護保険サービスの利用を始めている場合は、体調が悪い、身体だけでなく、心も疲れていることを、担当のケアマネジャーへ相談してみましょう。
毎月1回はご自宅へ訪問して、ご利用者、ご家族と面談して、心配事や困っていることがないか、今の介護サービスで安定した生活を送ることができているかを、確認することが法律で義務付けられています。
介護保険以外に、こんなことを相談してもいいのだろうか、と遠慮することなく、辛いと思っていることや困っていることを話してみてはどうでしょうか。
心や体を休める提案を持っていることがあります。
例えば、ショートステイを利用して、一晩か二晩、ご利用者と離れてゆっくり眠る、ゆっくりご飯を食べてお風呂に入る、そのような話になるかもしれません。
デイサービスの回数を1回増やしてみましょう、となるかもしれません。
介護を受けているご利用者が、ご自宅で生活を続けるためには、ご家族が疲れてしまってはそれもできなくなります。
ご家族が頑張れば何とかなることもありますが、頑張りすぎてしまう前に少し休む方法をぜひ、相談してください。
担当のケアマネジャーとは、どうも気が合わないように思っている、という場合もあるでしょう。そのような時は、ケアマネジャーが所属する事業所へ連絡して、相談してみましょう。
介護保険サービスを受けていない時はどうしたらいいでしょう
「介護保険サービスを受けていないけれど、介護でとても困っている。」「疲れてへとへとになっている。どこに相談したらいいかも分からない。」ということがあります。
パソコンを使って相談をする方法などを調べることができればいいのですが、高齢のご夫婦やご家族の場合はそれも難しいことが考えられます。
もしそういった場合にはまず、市役所へ電話や訪問して相談することをすすめましょう。
住んでいる地域の「包括支援センター」でも相談を受け付けていますよ。
また、かかりつけのお医者様がいる場合は、病院の窓口へ相談してみてはどうでしょうか。
かかりつけのお医者様ですから、身体のことだけでなく、心の変化にも気付いてくれているかもしれません。「どうしたらいいのか」と一言声を出すだけでも良いのです。
一言、言葉にして辛さを伝えると、必ず、どこかの相談窓口につながります。
相談をすることは、ご本人や一緒に住んでいる家族だけができるのではありません。
尋ねてきた親せきや、ご近所の方も「こんな状態で、疲れているようだが、どうしたらいいだろうか」と市役所や包括支援センターへ相談をすることができます。
施設の入居を考えてみる
「え?いきなり施設?」と思われるかもしれませんが、高齢者向けの住宅が増えていますので、どうしても介護を続けることができなくなった時はもちろんですが、疲れきって身体を壊してしまう前に、介護するご家族が元気で余力がある内に施設への入居を考えることも、一つの手段です。
特別養護老人ホームやグループホームだけではなく「有料老人ホーム」と言われる施設が多く建てられています。
介護保険の認定を持っていないと入れない施設や、年齢で入ることができる施設、24時間介護を受けられる施設など「有料老人ホーム」は色々な種類があります。
予算や希望に合わせて選ぶことができます。
ご自分で探して、下見に行くことも大変です。施設を探してくれ、下見にも同行して案内してくれる業者もありますので、活用してみませんか。
知り合いのご家族のお母様が有料老人ホームへ入居しました。
入居した頃は、後ろめたい気持ちがあったと友人は言っていましたが、家にいる時は笑うこともなく、返事をするのさえ嫌でたまらなかったけど、今は一緒にご飯を食べに行ったり、冗談を言ったり、笑いあえるようになった、と話しています。
離れているから、会っている時には全力で向き合うことができるのだとも話していました。
お互いにいい関係でいるために、離れてみる、というのは良い方法といえるのではないでしょうか。
最後に
「介護は先が見えない」家族を介護するようになった人は口々に言われます。
「あと、何年?」「自分は元気でいられるだろうか?」先の見えない不安に潰されそうになるのが介護の辛さではないでしょうか。
介護の辛さを口に出して言うことから、色々なことが動き始めます。
介護をしている方を何とかサポートしたいと思っている人は周りにたくさんいます。
関わっている人の辛さはその方にしか分かりませんが、言葉にしてもらうことで、周りの人も手助けしやすくなります。
是非、言葉にして伝えてください。
介護をしている家族会も住んでいる地域にありますので、そのような場に参加して、自分の話をしたり、他の家族の話を聞いたりすることも、介護疲れを軽くする一つの方法と言えるでしょう。